今回の「ドラマ名言シリーズ」は、「逃げるは恥だが役に立つ(逃げ恥)」 からの名言集・セリフ・名シーンです。
一大ブームを起こした名作ですが、「逃げるは恥だが役に立つ」と「アンナチュラル 」は同じ脚本家、野木亜希子の作品。
どちらも名言が多い作品です。
ということで、今回は第11話(最終回)からの名言達をどうぞご堪能あれ!!
第11話(最終回) 「夫婦を超えてゆけ」
◎夫婦は共同経営責任者
みくり「結婚して専業主婦になるということは、生活費の保証、つまり最低賃金を受け取ることとイコールだと思うんです。
でも、最低賃金はあくまで最低賃金。食わせてやってるんだから、黙って働けと言われても限界があります。」
平匡「でも、そんなに大某な雇用主ばかりじゃないでしよ?」
みくり「はい。良い雇用主の元で、ストレスもトラブルも無く働けるのであれば最低賃金でもいいのかもしれません。」
平匡「つまり、雇用主次第であると?」
みくり「一般企業なら人が大勢いて、人事異動もあります。昇給や賞与など、客観的に従業員を評価するシステムもある。
でも夫婦の場合、1対1なんです!夫が評価しなければ妻は誰からも評価されない。
つまり現状の、専業主婦の労働の対価は、この基本給プラス雇用主の評価(愛情)ということになります。」
平匡「しかし、愛情は数値化できません。」
みくり「そうなんです!極めて不安定な要素なんです。雇用主の気まぐれでいつでも0になり得る。」
平匡「その場合、最低賃金労働が続くというわけですね。」
みくり「はい。労働時間の上限も無いんです。下手をすればブラック企業になりかねません。
従業員として、この労働環境でやっていけるのかどうか、不安があります。
プロポーズは嬉しかったんです。平匡さんと結婚したくないとか、そういうことじゃなくて。」
平匡「そもそも、従業員なんでしょうか?夫が雇用主で妻が従業員。そこからして間違っているのでは?
主婦も家庭を支える立派な職業である。
そう考えれば、夫も妻も共同経営責任者。」
みくり「共同経営責任者?」
平匡「この時点で、僕たちの関係を再構築しませんか?
雇用関係ではない、新たなるシステムの再構築です。愛情があればシステムは必要ないとも思いましたが、そんな簡単なことではなかったようです。上手く行くかわかりませんが、、」
みくり「やります!やらせてください!」
平匡「やりましょう!共同経営責任者!」
みくり「なりましょう!CEO!」
家庭を一つの会社だと考え、共同経営責任者として運営していくという平匡の提案を、承諾したみくり。
その初めての経営責任者会議が、始まろうとしていた。
平匡「A者の仕事内容は、今とほぼ同じ。給与は今の9割。B社は新しい会社ですが、給与も安定性も劣ります。」
みくり「平匡CEOは、B社に魅力を感じてるんですね?」
平匡「以前ならA社を選んでいましたが、今はもう少し新しい事が出来るんじゃないかと感じています。しかし、その場合、役員報酬は今の半分に。」
みくり「報酬の減額を仕方ないとするか、私も外で働いて補填するか。」
平匡「外で?」
みくり「商店街の仕事なんですが、日給3,000円なので1日3.2時間以内に収めようと思ってたんです。それがどうにも収まらなくて。それで、これです。タウン誌のライターの仕事です。ライターとして商店街へ行き、取材記事を書きながら、青空市の調整も出来るんじゃないかと。」
平匡「給与を外から引っ張る作戦ですね。」
みくり「ただし、フルタイム労働になるので、この家の家事の時間が削られてしまいます。」
平匡「みくりCEOが引き受けた仕事は、この303カンパニーの仕事でもあります。協力して成功させましょう。共働きとして家事の分担を執り行います!」
みくり「ありがとうございます!」
こうして、部屋の各地に双方の陣が建てられることとなり、家事分担の合戦が始まった。これより、ゆるく長い戦いが行われていく。
平匡「2週間やってみて、率直な感想はどうですか?」
みくり「率直でいいですか?」
平匡「どうぞ。」
みくり「私の方が格段に稼ぎが少ないので、その分家事の分担が多いのは納得してるんですけど、それで平匡さんが分担をやり忘れていたり、やるのが遅かったりすると、それそっちの分担だよね?私より家事負担少ないよね?って思ってしまうことがあります。」
平匡「すいません。」
みくり「平匡さんの方は?」
平匡「正直に言っていいですか?」
みくり「どうぞ。」
平匡「みくりさんの掃除の質の低下が気になっています。部屋の隅に埃が溜まっていたり、鏡に水垢が。」
みくり「ホント言うと、私、そんなに几帳面じゃないんです。どちらかというと、四角い部屋を丸く掃くタイプで。。」
平匡「え?でも、今までは?」
みくり「仕事だったから、完璧にしなくちゃと念には念を入れていました。
でも本当は、生活するのに困らない程度に綺麗なら、生きていけると思ってます。
ご期待に添えず、申し訳ありません。
余程気になるのであれば、その箇所を平匡さんの分担にして、その代り他の箇所を私が、、」
平匡「いえ!僕の担当を増やしましょう!」
「あなたは随分と自分の若さに価値を見出しているのね。
私がむなしさを感じることがあるとすれば、あなたと同じように感じている女性がこの国にはたっくさんいるということ。
今あなたが価値がないと切り捨てたものは、この先あなたが向かっていく未来でもあるのよ?
自分が馬鹿にしていたものに、自分がなる。
それってつらいんじゃないかな?
私たちの周りにはたっくさんの呪いがあるの。
あなたが感じているのもその一つ。
自分に呪いをかけないで。
そんな恐ろしい呪いからはさっさと逃げてしまいなさい。」
平匡「分担の変更から1週間。率直な感想は?
あ、じゃあ、僕から。
僕が思ったのは、分担って結構厄介だなってことです。分担した仕事を相手が出来ていないと、マイナスに感じる。一方、出来ている場合でも、担当なんだしやって当然と思ってしまって、感謝の気持ちが持てない。もしかすると、相手を積極的に評価するシステムが必要で、、」
みくり「食事。私の担当なのに満足に作れてなくてごめんなさい。」
平匡「いや、そういうわけでは、、」
みくり「いっそ、役割分担をやめましょうか。シェアハウスみたいに、自分の事は自分でやるんです。一人でもご飯を作ったり掃除したりしますよね?」
平匡「あ、でもそれだと、共同スペースをどちらも掃除しない可能性が、、」
みくり「じゃあ、家事の全部私がやります。でもそれは、ボランティアです。」
平匡「ボランティア?」
みくり「あくまで、ボランティアなので、私が自分で今日はもうご飯作りたくないと思ったら作らないし、今日は掃除したくないと思ったら掃除しません。
ボランティアだから、ご飯ないんですか?とか言わないで欲しいし、部屋が汚いですとか言わないで欲しい。だって、ボランティアだから!仕事じゃないから!」
平匡「み、みくりさん。話の方向性が。。」
みくり「やめるなら、、今です。
平匡さんだって、面倒ですよね、こんな生活。私と暮らす前みたいに、外部の家事代行業者に週に1度頼む程度のお給料ならあるはずです。一人なら。主婦の労働の対価がどうとか、小賢しいこと言わないで、平匡さんのプロポーズを素直に喜んでくれる女性はたくさんいます。
それが、普通です。面倒を背負う必要はありません。」
◎生きていくのって面倒くさいby.平匡
みくりさんが閉じたシャッターは、いつか僕が閉じたものと同じかもしれない、、
だとしたら、僕は開け方を知っている。
何度も何度もあきれるほど、見捨てずにノックしてくれたのは、他の誰でもない、みくりさんだ。
「お仕事中すいません、話してもいいですか?
面倒を避けて避けて極限まで避け続けたら、歩くのも食べるのも面倒になって、息をするのも面倒になって。限りなく死に近づくんじゃないでしょうか?
生きていくのって面倒くさいんです。
それは一人でも、二人でも同じで。
それぞれ別の面倒くささがあって、どっちにしても面倒くさいんだったら、一緒にいるのも手じゃないでしょうか?
話し合ったり、無理なときは時間を置いたり、だましだましでも、なんとかやっていけないでしょうか?
やってやれないことはないんじゃないでしょうか?
みくりさんは、自分のことを普通じゃないと言ったけど、僕からしたら今更です。とっくに知っていました。大したことじゃありません。
世間の常識からすれば、僕たちは最初から普通じゃなかった。今更ですよ!」
◎みくりの気持ち
「上手くいかないとき、待っていてくれる人。
信じてくれる人。
見失っちゃいけない。
立て直そう、一つ、一つ。
立て直そう、ゆっくりでも。」
◎大好き
平匡「小賢しいってなんですか?言葉の意味はわかるんです。小賢しいって、相手を下に見て言う言葉でしょ?
僕はみくりさんを下に見たことはないし、小賢しいなんて思ったこと一度もありません。」
みくり「ありがとう。」
平匡「なんの、ありがとうで?」
みくり「大好き。」
◎みくりのナレーション
「私たちを縛るすべてのものから、目に見えない小さな痛みから、いつの日か解き放たれて。
時に泣いても、笑っていけますように。。」
◎ハグの日復活
平匡「提案があるんですが、ハグの日復活させませんか?
忙しいと忘れがちになったり、ケンカしたときにどうやって触れたらいいのかわからなくなるので。」
みくり「私もいいですか?」
平匡「はい。」
みくり「毎晩とは言いませんが、寝る前にハグしてくれたら、良い夢が見られそうな。」
平匡「そういうおねだりは、どんどん言ってください。ウェルカムです。」
みくり「ウェルカム。」
平匡「引っ越しを検討しませんか?みくりさんの部屋が必要だし、ダブルベットが置ける寝室も。」
みくり「寝床は別の方が、、熟睡できるかも。」
平匡「そ、そこは、じゃあ、応相談で。。」
みくり「毎朝起こしに行きます。」
平匡「そのとき、おはようのチューは。。?
みくりさんがおねだりするなら、僕だって!」
みくり「日曜日は、平匡さんが起こしに来てください。」
平匡「その後は、、?」
みくり「応相談で。」
◎最後のナレーションby.みくり
「たくさんの道の中から、思い通りの道を選べたり、選べなかったり。
どの道も面倒くさい日々だけど、どの道も愛おしい日もあって。
逃げてしまう日があっても、深呼吸して、別の道を探して、また戻って。
良い日も、悪い日も。
いつだってまた、火曜日から始めよう。」